【和歌山市断水の経験から】失敗談と、断水の時にあったらいいもの

生活

和歌山市で、令和3年10月3日、水道水を送っている水管橋が崩落し、紀の川北部で断水がおこりました。

その被害は6万戸およそ13万人に影響を及ぼしました。

私はその断水した地域に住んでいます。

過去に大きな災害に遭ったこともなく、初めてこのような状況に陥りました。改めて災害に対する事前準備の大切さを痛感しました。

ここでは、突然に断水になったときにどのように対処したかについて紹介します。

和歌山大規模断水の経緯

崩落した水管橋 写真:和歌山経済新聞

10月3日、和歌山市の水道水を送っている水管橋が崩落しました。これは、紀の川の南の地区から北の地域へと上水を送るためのパイプが通っている橋です。

橋には長さ約500メートル、太さ90センチの水道管が2本通っていて、紀の川の南の地区にある浄水場からこのパイプを通って北の地区へと水道水を送っています。

紀の川の北の地区に通じている水道水の通路は、これひとつしかありません。そのため、橋が崩落したことによって水を送ることができず、紀の川以北の地区では断水がおこってしまったのです。

これによって約6万戸、およそ13万人に影響をおよぼしました。

私が住んでいるところも、この断水した地域に入っていて、3日の夜から水が出ないような状態になりました。

失敗談

今回の断水を経験して、私の中で大失敗を侵してしまいました。

皆さんにはそのようなことがないように、私の失敗談を紹介します。

油断した・・・

私の自宅は崩落した橋から車でおよそ30分。和歌山市といっても本当に外れのほうで、僻地と言われるような田舎の地域です。

水道橋の崩落がわかり、私たち一般市民に「断水します」という知らせが届いたのは、夜の7時頃でした。

そのあとすぐ、グループラインで知り合いから「自分のところは断水した」「私ところも断水」と情報がはいってきました。どうやら崩落現場付近に住んでいる地域は、断水の放送直後から水が止まってしまっていたようです。

一方、私の自宅はというと、現場からかなり距離もあることから、すぐに事態の深刻さにも気づかず、実感がわきませんでした。加えて、夜に寝るまでは普通に水道が使えていたのです。

8時頃にお風呂に入ったときも、寝る前にトイレに行ったときも、「ちょっと水圧が弱いな~」くらいの感覚しかありませんでした。

「うちはまだ水が出ている」という状況が、大きな油断を生んでしまったのです。

寝る前に、念のためにバケツいっぱいの水と、お風呂と、ペットボトルに何本かだけの水を用意して、その日は寝ることにしました。

深夜、ふと目が覚めたので(夜は9時過ぎに寝るので起きるのも早いのです・・・)顔を洗おうと洗面所に行きました。そして、蛇口をひねったときに、ようやく事の重大さに気がついたのです。

水がほとんど出ない・・・

しまった。このままでは飲み水もまともにないし、手洗いや諸々に使う水もほとんどない。

とりあえずは飲み水が必要だと思い、あわてて買いに走ったのです。

水はどこも売り切れで・・・

とにかく飲み水の確保をと思い、深夜に開いているお店を探して目指します。

和歌山で断水しているということは、和歌山のお店には水はもう残っていないだろうと思い、大阪方面へ向かって買いに行くことにしました。

時間は深夜2時です。コンビニか24時間営業のスーパーくらいしか開いていませんが、それでもどこかにはあるだろうと考えていました。

しかし、それも甘い考えでした。

考えることはみんな同じで、おそらく断水した直後から大阪方面へ水を買いに求めて走った人がたくさんいたのでしょう。また、知り合いのためにと買いに行った人もいたでしょう。

コンビニもスーパーも、どこもかしこも売り切れ状態です。

結局、和歌山を出発して、大阪方面へ順番にお店を巡っていき、ようやく水を見つけたのが岸和田のスーパーでした。かれこれここまで2時間以上かかっています。

和歌山市の一部の地域が断水になるだけで、ここまで遠いところに影響があるのかとつくづく感じました。同時に、前もって備えておくことがどれだけ重要かも気づかされたのです。

断水の時にあったらいいもの

水はライフラインの中でも重要で、これだけ普段から水を使っていたのかと感じています。逆にいえば、水がなくなるだけであれもこれも大変な事がたくさん起こってくるのです。

もしもの時のために慌てることなく対応できるように、前もって準備しておくことはとても大切です。

ここでは、断水したときにあったらいいと思うモノを紹介します。

飲み水

何より大切なのが、飲み水です。

水さえあればどうにか生きていくことができます。断水や災害時、一番にお店からなくなるのはです。

そして、何かあってから買いに走っていては間に合いません。なぜなら、他の人もほしいから。

断水してからお店に行っても、売り切れになっている場合がほとんどです。

前もって準備しておきましょう。

ちなみに、私が和歌山から大阪方面へ水を求めて買いに走ったとき、あるお店では外国製の水が売れ残っていました。いわゆる「硬水」というやつです。

日本で一般的に売られている水は「軟水」です。軟水に比べて硬水は少し苦みがあって、日本人には慣れていなければ少し飲みにくいと感じます。

個人的には、サントリーの天然水が一番飲みやすいと感じています。

お店で水が売っていても、飲みにくいものがあったりすることがあるので、飲み慣れたものを前もって用意しておくようにしましょう。

ポリタンク

飲み水とは別で、生活用水が必要です。

例えば、手や顔を洗ったりトイレの水を流したり、お風呂に使うなどするための水です。

災害時はおよそ学校などに給水車などが来てくれて、きれいな水をもらうことができます。

しかし、この水を運ぶための入れ物がないと大変です。

自宅には大きな水を入れるための入れ物がなく、結局ありったけのペットボトルを持っていってそこに入れてもらうことにしました。それでも2リットルサイズで5本か6本程度です。

これではお風呂に使うどころか、何回か手をや顔を洗っただけで使い切ってしまいます。何度も何度も給水所に足を運ぶということも、重労働になって大変です。

給水所でもらう水を入れるための容器を用意しておくといいでしょう。折りたたみ式でスペースを取らないものまであります。自分で使うのに都合のいいものを購入しておきましょう。

ちなみに、私は慌ててこれを買いました。

非常用トイレ

水がなくて困ることに、トイレの水が流れないということがあります。

水洗トイレは、バケツにためておいた水を便器に流すことでな流れていきます。しかし、慣れていなければ飛び跳ねて周りが汚れてしまうことがあります。

また、バケツをの水を流すことは、高齢者にとっては重労働にもなります。

しかも、水をそれなりにたくさん使用します。一度流すのに5リットルから8リットル必要とされています。

トイレの水が流れないことは、日常生活の中でも大きな問題になるのです。

そこで、非常用トイレがあれば、水を流すこともなく楽にトイレを済ますことができます。高齢者でも簡単に処理することができるので、非常時のためには用意しておくのがいいでしょう。

使い捨ての食器類 

断水になって各店舗からなくなったのは、水に次いで紙皿紙コップ割りばしなどの使い捨ての食器類です。

どんな状況でも食事は欠かすことができません。しかし、いつも通り食事をする時に食器を使うと、それを洗うための水が必要になります。

限られた水で食器を洗わなければいけない上に、食器の衛生面を保つことはとても大変です。

そこで食器類をすべて使い捨てにしてしまえば、食後に洗うことがなくなるので水を使うこともなく、また衛生面でも心配がありません。

また、ラップも少し多めに用意しておくといいでしょう。普段使っている食器にラップをかけてから、その上に食べ物を置くようにすれば、食器が汚れることがありません。

非常食

断水していると、料理ひとつするのも大変です。

断水して気がついたことのひとつに、料理の時にはとてもたくさんの水を使っているということ。

料理をしようにも、いつも通りに水を使って料理するわけにもいきません。

また、鍋やフライパンを使うと洗い物が増えて、使う水がさらに多くなってしまいます。

そこで、カップラーメンやレトルトのカレーなど、インスタント食品を食べる量が増えました。

みんな同じことを考えるようで、スーパーなどの店舗からインスタント食品もいつもより在庫が少なくなっていました。

できるだけ水を使わず、簡単に食事ができるようにと工夫をしているのです。

断水して分かったこと

非常時は備えたもの勝ち

非常時は備えたもの勝ちだと思います。(勝った負けたの問題ではありませんが)

前もって非常時のために備えて準備しておくと、まったく焦ることもなく落ち着いて過ごすことができます。

準備をしていないから、あれがないこれがない、あれが欲しいこれが欲しいとなって、あちこちに買いに走らなければいけない状況になるのです。

そうなった時には遅い場合が多いです。売り切れ売り切れで、手に入りません。

いかに備えているか。これが非常時には重要なことです。

最低3日は準備しておこう

非常時は最初の3日が大混乱しています。

断水となると聞いてから、みんなあわててあちこちに水を買いに求め、食器などあったらいいものを大量に買い占めます。

しかし、およそ3日もあれば全国各地から必要な物資が現場へ届けられます。

今回に限っていえば、

  • 広範囲とはいえ一部地域のみ断水
  • 交通インフラは問題なし

という状況にあるので、断水とわかってその日の深夜には全国から給水車が来てくれました。

また、全国から物資がすぐに届けられて、3日目には水やポリタンクが大量に店舗で山積みにされていました。

つまり、3日程度乗り切ることができれば、必要物資は慌てることなく十分手に入るということです

もちろん長期の備えがあるに越したことはありません。7日間の備えをしていれば、問題なく安心して乗り切ることができるでしょうが、最低でも3日は備えておく必要があるでしょう。

まとめ

緊急事態はいつどこで発生するかわかりません。

私の今回の教訓は

  • 「まだ大丈夫」と油断した
  • 非常時の備えをしていなかった
  • 3日程度である程度の物資は届けられる
  • 備えていればあわてることは何もない

前もって備えをしておくことがどれほど重要かに気づかされました。

今回の和歌山大規模断水の件では、断水だけだったので大きく生活環境が変わるわけではありませんでした。しかし、水が出ないことに関する不便はとても大きなものでした。

これが震災などの大規模災害になると、水だけでなく、電気やガスなどのライフラインも止まってしまうでしょう。そのことを考えると、もっとしっかり準備をして得おかなければいけないでしょう。

私のように、あわてることなく非常時を乗り越えるように、前もって備えをしておくようにしましょう。

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