子どもを育てていくうえで、自分の能力を最大限に発揮して立派に育ってほしいと思いますよね。
ここでは、子どもの知られざる能力を発揮させるためのコツを紹介します。
子どもの潜在能力を引き出すコツ
結論を言うと、子どもを能力を信じることが、その能力を発揮させることにつながるのです。
「信じる者は救われる」とか「信じれば叶う」とかよく言いますが、これはあながち間違いではないのです。
信じ続ければ必ずかなう
ドイツ出身のロバート・ローゼンタールは、こんな実験を行っています。
小学生の名簿を見ながら、何人かをランダムに指定して、「この子は将来、天才になる」と、担任の先生にデマを吹き込みます。つまり、実際には何の根拠もないのに、いかにも専門家らしくその子らの「潜在能力」を絶賛してほめたたえたのです。当然のごとく担任の先生は、言われたことを信じます。すると、心の内では「この子は絶対に伸びる!すごい子なんだ!」という期待で一杯になります。
一年後、驚く結果があらわれます。なんと指定された子どもたちの成績は一気に上がったのです。他の期待されなかった子どもと比べると、群を抜いて驚異的に変わっていきました。つまり、「期待」が「現実」に変わったのです。
期待すると接し方が変わる
ローゼンタールはこの実験の期間中、担任の先生が「期待する生徒」に対してどのように接していたかを綿密に記録しています。すると、他の子どもに比べて接し方が変わっていたことが確認されました。「あの子は天才になる」と期待された子に対しては、少しずつですが特別扱いをしていたことが明確に分かったのです。
たとえば、他の子どもよりも少し難しい問題に挑ませる、授業中に指定する回数が多い、回答に詰まっても気長に待つなど、効果的な学習が促されやすい環境づくりを、期間中にわたって自然に施し続けていたことが分かったのです。
期待しない場合は・・・
期待すれば自然とその人に対して結果を促すような行動をとるようになりますが、反対に期待しない場合はどうなるのでしょう?
ローゼンタールはこんな実験も行っています。
学生に対して「これは賢いネズミだ」「これはのろまなネズミだ」といって、二匹のネズミを渡しました。もちろんこれも、賢い、のろまというのは何の根拠もありません。
二匹のネズミを受け取った学生は、この二匹をどのように扱ったでしょうか。実は「賢いネズミ」と言われて預かったネズミは丁寧に扱い「のろまなネズミ」と言われて預かったネズミはぞんざいに扱ったのです。
この結果からもわかるように、期待をするかしないかで、そこに対する扱い方が変わってくるのです。
ピグマリオン効果
ローゼンタールは、この「信じれば叶う」という現象に「ピグマリオン効果」と名付けました。
ピグマリオンとは、ギリシャ神話に出てくる王様のことです。彼は彫刻の像に恋をして食事を用意したり話しかけたりして、彼女が本物の人間になることを信じ続けました。その姿を見かねた髪が彫像に命を与えて、ピグマリオンの願いはかなったと言われています。
まとめ
相手を信じて期待することで、相手が自分の思い通りになってくれるような働きかけを積極的にとるようになります。
「信じれば叶う」のは、心が通じ合うのではなく、「信じた側」の人が、その結果を引き出すような働きかけをしているということです。
子どもに対して「この子は何をやってもだめだ」と思えば、きっと悪い結果が生まれるでしょう。子どものいいところを見つけて、いや、とにかく「この子は天才だ」と根拠なくても信じることで、潜在能力はぐっとアップされるでしょう。