お金は誰しもがほしいと思うものです。自分で好きな時に好きなだけお金を使うことができれば、幸せになることができると考えるのは、当たり前のことです。
しかし、お金が増えると本当に幸せになるのでしょうか。ここではお金と幸せについて、紹介します。
・これからお金を稼ぎたい人
・お金があれば幸せだと思う人
お金を稼ぐときに考える大事なこと
ここで紹介する、お金を稼ぐときに考えるべき大事なことは、お金があると幸せなのか?ということです。
もちろん、今現在にお金がなくて生活に不自由して不幸のどん底にいると感じている人もいるでしょう。しかし、それではお金があればあるだけ、幸せになるのでしょうか?
お金と幸せの関係
幸福研究の第一人者であるダニエル・カーネマンの研究で、世帯年収ごとに幸福感を比較したこんなデータがあります。
世帯年収が200万円未満の人たちのうち、「とても幸せ」と回答した割合は22.2%、世帯年収が900万円以上の人たちのうちで「とても幸せ」と答えた割合は、42.9%でした。
また反対に、世帯年収が200万円未満の人で「あまり幸せではない」と回答した割合は17.2%、世帯年収が900万円以上の人が「あまり幸せでない」と回答した割合は5.3%でした。
この結果から、収入が高い人ほど、幸福感が高くなると考えられるのです。
ある程度の経済力がある人は・・・
ところが、世帯年収が200万円から900万円の間の収入の人たちを見てみると、おもしろい結果が出ています。
500万円以上900万円未満の世帯収入の人たちのうち、「とても幸せ」と回答したのは41.9%でした。実はこれは、900万円以上の収入がある人たちが「とても幸せ」と答えた42.9%とほとんど変わらないのです。
また反対に、500万円以上900万円未満の収入の人たちが「あまり幸せではない」と答えは割合は7.7%で、900万円以上の5.3%とそれほど変わらないという結果が出ているのです。
この結果から、ある程度の年収以上の収入があれば、経済力と幸福とは関連が無いということがわかるのです。
お金と幸せに関連が無い理由
収入がある程度あればそれ以上は幸せとの関連がなくなる理由に、ダニエル・カーネマンは三つの可能性を上げています。
- 他人との比較によって幸福感が左右される
- 物質的な豊かさに慣れる
- ストレスが溜まりやすい
1、他人との比較によって幸福感が左右される
収入が少ないうちは、自分のことで必死になり、周りを見る余裕もなかなかありません。自分の収入がちょっとでも増えればうれしいし、その喜びが幸福へとつながるのです。
しかし、ある程度余裕が出てくると、他人と比較をするようになります。自分よりも裕福な人と比べることで、自分が敗北者のように感じてしまい、幸福感が下がってしまうのかもしれません。
2、物質的な豊かさに慣れる
人は、物質的な豊かさにすぐ慣れてしまいます。
例えば必死になって貯金をして、高級な車を購入したとします。購入して初めのうちは、うれしくて、自分はよく頑張ったとほめて、努力の結果として手に入れた車を所持することに幸せを感じるでしょう。しかし、しばらくするとその高級車を持っていることに慣れてしまい、当たり前となって、幸福感を感じなくなってしまいます。
お金も同じです。収入が上がったときはうれしくて幸福感が上がりますが、しばらくするとその上がった収入の金額に慣れてしまい、幸福に結びつかないのかもしれません。
3、ストレスが溜まりやすい
裕福な人は、収入以外の面で求められることが多いとされています。
学歴や仕事で高い成果を求められることが多く、のんびりと過ごす時間が少なくなります。すると、ストレスや緊張感が高まりやすくなってしまいます。ヘタをすれば、持っているお金が無くなってしまうかもしれないという不安さえ大きくなってしまいます。
ストレスや不安が大きくなると、それは幸福とは言えないでしょう。
最後に
幸せになるために、お金はとても大事なものです。
しかし、お金がたくさんあればあるほど、それに比例して幸せを感じるかと言えばそうではありません。
お金に幸せを求めている人は、もう一度考えを改めなおしたほうがいいでしょう