ひとり暮らしをしていると、家事のすべてを自分でしなければいけません。
その中でも、食事となるととても面倒で労力がいります。
特に年をとって高齢になればなるほど、食事を用意するだけでも大きく体力を消耗してしまいます。
そうなると、食事をすることそのものが嫌いにもなっていってしまいます。
ここでは、『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし 』から、著者の多良美智子さんが作っている簡単にできる食事メニューを紹介します。
簡単に自分で料理をすることで、健康維持に気をつけて生活していくように心がけましょう。
料理はとにかく簡単に「混ぜるだけ」「漬けるだけ」
多良美智子さんは、姉を亡くしたことをきっかけに65歳で調理師専門学校に通いました。
もともと料理をすることが好きだったこともあり、1年で調理師免許を取得することができました。
そして、新しい世界を体験することにもつながっていったのです。
多良さんは、規則ただしく、一日三食の食事をとります。
また、盛り付ける時の器にも工夫をすることで、食べることだけでなく、見た目でも楽しみながら食事をとるようにしています。
調理師専門学校では、和洋中の本格的な料理を習いましたが、普段作る料理はそれまでと変わりありません。
とにかく簡単です。
しかし、それが毎日続けていくためには一番大切なことなのです。
87歳古い団地で愉しむ一人暮らしの女性がやっている食事の楽しみ方で、多良さんの食事の楽しみ方について紹介しているので、合わせてご覧ください。
87歳がつくる簡単にできる食事メニュー
ほうれん草のごま和え
ゆでたほうれん草を器に盛り、そこに直接すりごまと醤油、砂糖をかけます。
まぜてできあがりです。
和え衣を別の器で作る手間が省けるので、洗い物も減ります。
大根ときゅうりの醤油漬け
大根ときゅうりを1cm角に切り、器に入れたら醤油をひと回しかけます。
大根ときゅうりから水分が出て、数時間でちょうどいい味になります。
カレーの福新漬けの代わりにどうぞ。
切り干し大根のはりはり漬け
切り干し大根を水で洗い、よく水を絞り、保存容器に入れます。
酢:2、砂糖:2、醤油:1で合わせた三杯酢を加えて、半日ほどでできあがりです。
細めで色が白っぽい切り干し大根を使います。
切り干し大根の煮物
煮物は太めの切り干し大根を使います。
鍋に切り干し大根を入れて、かぶるくらいの水で戻します。
そこに、にんじん、ちくわ、さつま揚げを入れて、砂糖と醤油を加えて煮ます。
戻し汁がいい出汁になります。
ピクルス
きゅうりや大根、にんじん、たまねぎ、パプリカなど、お好みの野菜を用意します。
ピクルスの液は、ミツカンのカンタン酢です。
パプリカは傷みやすいので早めに食べましょう。
それ以外の野菜は、冷蔵庫で1週間くらいは大丈夫です。
アジの酢漬け
刺身用のアジに、塩をしっかり振って1時間ほどおきます。
塩を水で洗って水気をふくと生臭さがとれます。
保存容器に入れて、酢をひたひたになるくらい加えて、冷蔵庫に1~2時間おくと完成です。
長くおくと身がパサパサになるので、すぐに食べないときは酢からアジを出しておきましょう。
健康で長生きをするために
健康で長生きをしていくためには、食事はなんといっても欠かせないものです。
できるだけ、自分で調理して、必要な分を必要なだけ摂取していきましょう。
毎日続けていくコツは、簡単にすることです。
また、「高齢者の食生活」健康寿命をのばすために気をつけるべき食事の習慣も紹介しているので、合わせてご覧ください。
宅配食を活用して健康な食生活を
健康な食生活をしていくためには、バランスよく食事をとることが大切です。
しかし、ひとり暮らしで、しかも高齢となると、バランスのよい食事をとることがだんたんど難しくなってきています。
そんな中、近年は宅配食が増えてきています。ためらうことなく、しっかりと宅配食を活用していくといいでしょう。
自宅でバランスのよい食事を取ろうと思うと、栄養計算をしてから献立を考える難しさや、さらに食材や調味料を計量して調理する手間がかかって、とても大変です。
宅配食にすれば、食事だけでなく病気に関する知識も持った管理栄養士の下、細かく計算・計量して作られた食事をとることができます。
たとえば、気配り宅配食のウェルネスダイニングでは、
など、いろいろなコースがあるので、栄養バランスに配慮しつつ決まった栄養価に調整されているため、食事制限が必要な方でも安心して利用することができます。
医者から食事制限されて、たとえば塩分を控えるようにとか、糖質を抑えるようにとか、さまざまな食事制限をされる場合も問題なく食べることができます。
また、気軽に、自分のペースにあわせて続けていくことも大切です。たとえば、朝と夜だけ宅配食にして、昼は自分で用意してみるとか、自分の生活リズムに合わせて方法で進めていくことがいいでしょう。
さらに、噛む力や飲み込む力が弱くなってきた高齢者にも食べやすいように、あらかじめ柔らかく作られているものもあります。
どんどん活用していきましょう。