終活を始めるときに欠かせないのが「エンディングノート」
医療や介護についての要望、資産や保険の管理、デジタル分野のIDやパスワードなどを書き記し、もしもの時に家族が困らないように準備しておくことは大切なことです。
また、もしものために準備をすることで、自分の生き方を振り返ることができます。
終活を始めるなら、まずはエンディングノートを書くことをおすすめします。しかし、どんなものを選んでいいかわからない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、おすすめのエンディングノートを紹介します。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、医療や介護に着いての要望、資産や保険の管理、デジタル分野のIDやパスワードなどを記し、「もしものとき」のために備えて準備をしておくためのノートです。
エンディングノートは、今や終活の代名詞にもなっています。つまり、「終活を始める」=「エンディングノートを書く」と言っても過言ではありません。
しかし、言葉自体は多くの方が知っているのにもかかわらず、実際にエンディングノートを書いているという人はほんのわずかに過ぎません。
その背景には、「自分にはまだ早い」「死を意識することは縁起が悪い」「何をしていいかわからない」などの理由が挙げられます。
しかし、「もしものとき」はいつ来るかわかりません。極端にいえば、今日の夜に寝て明日の朝に起きるという保証はないのです。
もし明日の朝、自分が目を覚まさなかったら、家族の人はどうなるのでしょうか。悲しみに暮れることはもちろんですが、きっとわからないことだらけで慌てふためくでしょう。
通帳はいくつ持っているのか、カードの番号は何か、保険はどこに入っているのか、どんな友人がいてお葬式に誰をよべばいいのか、お墓はどうするのか・・・
考え出したらあれもこれもたくさんの事象がでてきます。
このように、突然のことで家族が困らないように、前もって準備をしておくことが必要です。
また、「死」を意識することで、自分自身の生き方を見直すことができます。
実はエンディングノートには、介護や死後の要望や財産の管理以外にもたくさんの記入項目があります。今までで一番楽しかったことやつらかったこと、残りの人生をどのように生きたいか、どこに行きたいか、家族に何を残したいかや家族とどのように過ごしていきたいかなど、自由に自分の思いを綴るところもあります。
これらの項目を書いていくことで、人生を振り返り、これからの時間を有意義に使っていくことができるのです。
終活は、家族に迷惑をかけないように準備するとともに、残りの人生を生きがいを持って過ごしていくためにするものです。
そのきっかけがエンディングノートです。ぜひ活用していきましょう。
おすすめのエンディングノート10選
ここからはおすすめのエンディングノートを紹介します。
『エンディングノート(もしもの時に役立つノート)』コクヨ
言わずと知れたコクヨから発売されているエンディングノート。
銀行口座や保険、クレジットカードなどのあらゆる情報を、年齢を問わずに今からでもすぐに書き込める項目が、たくさんもりこまれています。また、長期保存におすすめのコクヨオリジナルの用紙。
さらに、CDを保管できるディスクケースが付いていて、ポケットの部分には証明写真やお気に入りの写真などを入れておくことも可能。
一冊で満足のいくノートです。
『もしものときも絶対に困らないエンディングノート』宝島社
全体的に絵が豊富で、わかりやすい内容になっています。
財産の記録や備忘録としても使えるほか、今後のライフプランを立てるページがあるので、早めに終活を始める人にもおすすめ。
自筆遺言書キットも付いているので、もしもの時のために遺言を残しておきたい人にも使えます。
漫画でもしもの時に困ったエピソードが載っているので、初めての人にもなじみやすい一冊。
『書いて安心エンディングノート』主婦の友社
銀行口座、クレジットカード、保険など、項目ごとに分かれており、難しい項目もないのでわかりやすく管理しやすいです。
病気になった時や介護が必要になった時、亡くなったときなどに必要になることを、わかりやすく解説してくれています。だから、困ったときにもこれ一冊あれば何度も見返して、その都度対応していくことができるでしょう。
「書いておいてくれて助かった!」と必ず言われる、安心ノートです。
『一番わかりやすいエンディングノート』リベラル社
解説がついていて、とても分かりやすノート。
内容が終活の流れに沿って構成されているので、迷うことなく書き込んでいくことができます。
また、暗証番号などの個人情報を保護するための「マル秘カード」や「スクラッチシール」がついているので、安心して情報を控えておくことができます。
『ハッピーライフエンディングノート』ヨシダヤ
シンプルで初心者にも始めやすい一冊です。
前向きで明るく、やさしいデザインが魅力的。
ページ数も多くなく、選択式で項目を選んでいくことができるので、悩むことなく書き進められるところがおススメです。
『あした死んでも後悔しないためのノート』ディスカヴァー
『あした死ぬかもよ?』でおなじみの、ひすいこうたろうさん著書のノート。
死を題材にした32の質問に答え、書き込んでいくことによって、自分の本当に大切にしたいことを明確にしていきます。
また、弔辞や墓碑、死亡記事を書き込むワークも。
自分自身を見つめなおし、これからの生活をもっとよくしていきたいと考えている人には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
合わせて、ひすいこうたろうさんの『あした死ぬかもよ』も手に取って読んでみてください。
リンク:あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問 [ ひすいこたろう ]
『エンディングノート』小学館
介護、葬儀、お金、相続、法律など、それぞれの項目についてそれぞれの分野のプロが内容を徹底的に吟味しているのがおすすめです。
すべての分野にそれぞれのプロが関わって作っているので、必要な項目が全体的にバランスよく網羅されています。
「解説ページ」がついているので、わからないことに関してもわざわざ調べる必要がなく、これ一冊で詳しく見ていくことができます。
『未来に向けてスッキリ整理する!新エンディングノート』秀和システム
新型コロナウイルスの感染拡大によって、変わってしまった常識を考え直し、新しい常識を踏まえて考えていくエンディングノート。
お葬式やデジタル遺品など、生前整理をしながら終活をしていくことをすすめています。
過去を整理し、新しい未来を作っていくために、今の時代に合わせた考え方ではじめていくエンディングノートです。
『ディズニーマイストーリーノート』講談社
ディズニー好きにはたまらないエンディングノート。キャラクターたちが登場するので、若い人でも楽しく始められるのが特徴。
写真を張る部分が多いので、堅苦しくなく、楽しんで取り組むことができます。
家族に対して思いを伝えるだけでなく、自分の歴史をつづっていくことで、家族との絆をより一層深めていくことができる一冊です。
『看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート』文友社
人生最後の瞬間を見てきた看取り医ならではの視点で作られたエンディングノート。
お葬式や資産のことも大切ですが、ここでは終末期に特に焦点を当てて終活を進めていくためのノートです。
各項目が最低限にまとまり、急いでノートを作成したい人にはおススメ。
終末期になれば、意思表示をすることもままならなくなってきます。そんなときのために、終末医療に対する自分の希望や、意思表示をすることの意味を大切にしたいという思いから作られた一冊です。
エンディングノートを書く時の注意点
終活の始まりはエンディングノートにあります。
しかし、書く前に知っておかなければいけないことがあります。これを知らなければ、場合によってはエンディングノートをきっかけに家族でケンカをすることにもつながってしまいます。
次の3つの点には注意するようにしましょう。
1,法的な拘束力はない
エンディングノートに、法的な拘束力ありません。
エンディングノートを書いたことによって、家族がその通りに全部進めてくれると勘違いをし、ケンカになるケースがあります。
遺言書とは違い、エンディングノートはあくまで個人の希望になります。相続などお金のことに関することは、遺言書を作成するようにしましょう。
エンディングノートは、法的拘束力がない分、自由に作成できるところが大きなメリットです。
例えば、ペットのことや大切にしているコレクションのことなど、遺言書などの法的に家族に伝えるまでもないようなことがたくさんあります。そのようなものに関しては、エンディングノートに気持ちを書いて残しておくといいでしょう。
難く考えず、気楽に自分の思いをつづっていくことができるところが、エンディングノートのいいところなのす。
2、書いたことを伝える
エンディングノートは書いて終わりではいけません。書いたことを、必ず家族に伝えるようにしましょう。
せっかくノートを書いても、いざという時に家族がエンディングノートの存在を知らなければ、自分の希望したとおりにすすみません。
延命治療はどうするか、認知症などになって介護が必要になったときどうするかなど、自分で意思表示ができなくなった時に、エンディングノートが代わりに自分の希望を家族に伝えてくれるのです。
また、すべてが済んでしまった後にノートを見つけてしまうと、希望をかなえてあげることができなかったと家族が後悔してしまうことにもつながります。
何かあった時に見てもらえるように、必ずエンディングノートの存在を家族に伝えておくようにしましょう。
3,定期的に見直す
エンディングノートは、一度書けば終わりではありません。死ぬまで作り続けていくものです。
時間の経過とともに、自分に取り巻く環境は変わっていきます。それに伴い、考え方も変わっていくのが当たり前です。
前はしてほしくなかったことも、後になってやっぱりしてほしいということもたくさん出てくるでしょう。
一度ノートに書いたからそれで終わり、それがすべてだと思わず、やっぱり違うと思ったら書き直せばいいし、気に入らなくなったらやめてしまえばいいのです。
一度決めたことを、最後まで貫き通す必要はありません。ときどき見直して、その都度修正していくように心がけましょう。
また、ノートの内容を書き換えたときは、あとで見た人がわかるように、変更した箇所に日付を書き添えておくといいでしょう。
さいごに
おすすめのエンディングノートを紹介しました。
エンディングノートは、終活には欠かせないものです。
たくさんある中で、エンディングノートを選ぶのは、迷ってしまって大変かもしれません。
しかし、気負うことはありません。気になったものを手に取って、気になるところから書き始めればいいのです。
途中で気に入らなくなったらやめて、また違うノートを購入して、イチから始めればいいのです。
終活は大切なものですが、気楽に進めていくことが大切です。いい終活ライフを送るために、お気に入りのエンディングノートを探してみましょう。