気温が下がって寒くなってくると、気をつけなければいけないのが「ヒートショック」です。
ヒートショックは、心筋梗塞や脳出血を引き起こしたり、最悪の場合は命にかかわることもあります。
ヒートショックの予防と対策を紹介します。
また、「お風呂の健康効果とは」正しい入浴方法やポイント、注意点も紹介しているので、こちらもご覧ください。
入浴中のヒートショックは交通事故よりも多い
ヒートショックは、血圧の急上昇と急降下によって引き起こされます。
短時間にこれが繰り返されることによって、体にダメージを受け、心臓や血管の疾患に大きな影響を与えてしまいます。
ヒートショックは、特に入浴中に発生しています。
入浴中の死亡事故は年間で約1万9千件で、交通事故の約4倍にものぼります。
入浴の際、温かい部屋から寒い脱衣所に移動し、衣類を脱ぐことで、寒さによって血管が収縮されます。
浴室に入るとさらに寒いので、血管はさらに収縮され、血圧は上がっていきます。そして熱い湯船につかると、血管が一気に膨張し、血圧が急激に下がってしまいます。
こうした血圧の急激な変動が、心臓に負担をかけているのです。
ヒートショックの症状は、めまいや立ちくらみです。このような症状が起ったときには、動かずに安静にして、症状がおさまるのを待ちます。
しかし、重度の場合には失神をおこしたり、心臓発作をおこしたりするので、そのまま意識を失い危険な状態に陥ることもあります。
お風呂でボーッとなってしまうのは、気持ちよくてなっているのではなく、実はヒートショックによって意識障害を起している可能性もあります。
湯船では溺れてしまうこともあるので、最悪の場合そのまま死に至るケースもあるのです。
お風呂場以外でも発生するヒートショック
ヒートショックは、気温差が10度以上あるところで発止しやすいといわれています。
若い人は、このような寒暖の差にも体が堪えることができますが、年齢とともに対応できなくなっていきます。
ちょっとした温度変化でも血圧が乱高下して、心筋梗塞や脳梗塞をなどのトラブルを起してしまうことが多くなってきます。
例えば温かい家の中から寒い外に出たあと、再び屋内に戻ってきたときも気をつけなければいけません。
雪の降る寒い地域に住んでいる人は、雪かきなどの作業のあと、屋内に戻ったときにヒートショックをおこして救急搬送されるというケースも珍しくありません。
外出するときは、上着を着たり、準備運動をするなどして、しっかり体をあたためるなどすることが大切です。
急激に体を温めたり、冷やしたりしないようにしましょう。
「ぶるっと震える」のもヒートショック
ヒートショックの危険性は、若い人よりも高齢の人の方が高いです。とはいえ、若い人には関係のないことではありません。
寒さを感じたとき、ぶるっと体が震えることがありませんか?実はそれも、ヒートショックの症状なのです。
ほかにも、体が冷え切ったままでお風呂に入ったとき、手足ががビリビリと感じたときも、ヒートショックをおこしてしまう危険なサインです。
ヒートショックは高齢者だけでなく、もっと身近にあるということを知っておきましょう。
安全で安心なお風呂を楽しむポイント
家族に声をかけておく
家族や同居している人がいる場合は、お風呂に入る前には「これからお風呂にはいってくる」とひとこと声を掛けておきましょう。
声を掛けられた方は、なんとなく気になってしまうものです。
いつもよりお風呂の時間が長いと、様子を見に来てもらうことが大切です。
これによって、万が一のことがあっても早期発見ができて、早急に対処することで最悪の事態を免れることができます。
脱衣所、浴室を温かくしておく
ヒートショックの原因は気温差です。温かい部屋から脱衣所で衣類を脱ぐだけで、体には大きな負担になっているのです。
暖房器具を脱衣所や浴室に設置しておき、前もって温めておきましょう。
こうすることで部屋との気温差がなくなり、ヒートショックをおこしにくくなります。
衣類を脱ぐ前に浴槽の蓋を開けておくのもいいでしょう。浴槽の湯気を室内に充満させることで、室温を上げることができます。
40度程度のお湯に10分間
熱いお湯につかると血圧が一気に急上昇、急降下します。
血圧が下がりすぎると、めまいや立ちくらみをおこし、あるいは失神などの意識障害などの症状を引き起こしてしまい、危険な状態になります。
お風呂にはいるとボーッとしてしまう人は、気持ちよくてなっているのではなく、血圧の低下による可能性もあります。
また、長風呂をすることで「浴室熱中症」になる危険もあります。これは、入浴中に起る熱中症のような症状のことで、命の危険にさらされることもあります。
お風呂に入るときは、40度程度のお湯に、10分程度つかるのがちょうどよいとされています。
副交感神経も優位に働いて、リラックス効果も期待できます。
急に立ちあがらない
お風呂からあがるとき、急に立ち上がる人も多いと思いますが、それは大変危険です。
急に立つことで、血液は一気に全身に流れ込んで血圧が急激に下がります。いわゆる立ちくらみをおしてしまうのです。
浴室での立ちくらみは、ケガにもつながります。
立つときは万が一のことを考えて、湯船の縁や壁に手をついて、ゆっくりと立ち上がりましょう。
ヒートショック対策「おすすめグッズ」
セラミックファンヒーターで温かく
セラミックファンヒーターは、電源を入れると遠赤外線の熱が放射されるので、短時間で脱衣所を暖めることができます。
また、ガスや石油を使用しないため換気の必要性がなく、簡単に使いやすいものです。
軽量かつコンパクトで持ち運びがしやすく、設置場所を自在に変えられることもメリットといえるでしょう。
火事の危険性もなく、安心して使えるでしょう。
浴室マットで足元のヒンヤリ解消
浴室のタイルは冷たく、特に冬はピリピリするほど冷えた浴室もあるかもしれません。
浴室にマットを敷くだけで簡単にヒンヤリを解消することができます。
また、マットを敷くことですべりにくくなります。高齢者や小さな子どもがいる家庭では、転倒防止対策にもなるのでおすすめです。
入浴剤で体ぽかぽか
体を冷やさないためにも、入浴剤は効果的です。
大切なのは、体の芯まで温まること。芯まで温まった体は、急激に冷えることはありません。
温浴効果の高い入浴剤で、効率よく体を温めましょう。
おすすめは竹炭です。遠赤外線効果により体の芯まで温めることができます。
また、炭のミネラル分が溶け出してお湯をアルカリ性に保ってくれるので、お肌に優しく美容にも効果的です。
さらに、炭は吸着性が強いのでお風呂の汚れを取り除いてくれるので、衛生的にもいい状態を保つことができます。
ぜひお風呂に入る際には竹炭を試してみましょう。
水素風呂にしてみる
水素水が流行したときもありましたが、水素水は飲むよりも体から直接取り込む方が効率がよいといわれています。
水素風呂にすると、水素を体から直接取り込むことができます。
細かい泡が体を包み込み、芯まで体を温めます。そしてその効果は夜中まで続くので、布団の中で寒くて目が覚めるということもなくなります。
また、疲れやすい、肩や腰が痛い、といった症状の改善にもつながるとされています。美容にも効果があり、水素風呂に入る人が増えてきています。
機械をお風呂に入れるだけで簡単に水素風呂にすることができるので、試してみるといいでしょう。
ヒートショック対策をして安全にお風呂に入りましょう
ヒートショックの予防と対策を紹介しました。
ヒートショックは、気温差で急激に血圧が乱高下することによって起ります。
つまり、急な暑さ寒さに対する対策を十分にとることが、対策としてとても大切なことなのです。
体を急激に温めたり、あるいは冷やしたりしないように、十分に気をつけるようにしましょう。