長生きする人が増えている近年、できるだけ最後まで自宅で過ごしたいと思う人が増えてきました。
しかし、年をとるにつれてだんだん体が思うように動かなくなってきます。他人の介助がなくては日常生活もままならない状態になることも考えられます。
そんななか自宅で過ごして行くためには、訪問介護を利用することが必要になるでしょう。
ところが、介護保険の適用範囲では、受けられる介護サービスが限定されます。
これでは、家族の介護負担もあまり少なくなりません。
そこで自費で利用する介護保険外サービスを紹介します。
介護負担を軽減するためには、このようなサービスを利用するのが最善の方法でしょう。
訪問介護でできること、できないこと
まず、訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が、人の介助を必要とする人の居宅へ訪問し、「生活援助」を行うサービスです。
訪問介護サービスでできること、できないことは、どのようなことでしょうか。
訪問介護でできること
- 「身体介護」利用者の身体に直接触れて介助を行います。利用者の自立支援や重度化防止のためのサービスです。
- 「生活援助」高齢者本人や家族が行うのが難しい家事を、ホームヘルパーが利用者の代わりに行うサービスです。
- 「通院時の乗車・降車の介助」通院時の乗車・降車・送迎といった、いわゆる「介護タクシー」とよばれる介助サービスがあります。
訪問介護でできないこと
- 「本人以外に対する行為」家族の食事の準備や家族の子どものお世話、家族の洗濯などの家事全般はできません。
- 「医療行為にあたるもの」点滴やたんの吸引、インスリンの注射など、医療行為は行えません。
- 「生活に差し支えがないもの」床のワックスがけや家具の修理、窓のガラス拭きなど、やらなくても利用者の生活にさしつかえないことはできません。
- 「2時間ルール」訪問介護サービスを1日2回以上お願いする場合、次のサービスまで2時間以上間隔を空けなければいけません。
訪問介護でヘルパーができること・できないことについては、コチラではもっとくわしく説明しているので、合わせてご覧ください。
介護保険外サービス
これまで紹介したものは、介護保険のなかで利用可能なサービスです。
介護保険法に定められている厳格な利用基準があるため、サービスの種類や利用条件に制限があります。
また、訪問介護サービスを受けるまでには、
- 要介護認定の申請
- 要介護認定の通知
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)の決定
- ケアプランの作成
- 事業者の選定と契約
といった手続きを経て、ようやく訪問介護サービスの利用を開始することができます。
これでは、「認定までに時間がかかってすぐに利用できない」「等級によって、時間や回数に制限がある」「通院付き添いや、生活支援は対応できない」といった問題が発生してきます。
介護保険外サービスなら、このような介護の制限にかかわることなく、幅広い内容の介護をサポートすることができます。
介護保険外サービスのメリット
介護保険外サービスでは、公的サービスではできない範囲のことまで利用することができます。
一例として、次のようなメリットがあります。
- 時間の制限はなし
- サービスの制限はなし
- オーダーメイドで依頼ができる
時間の制限はなし
1時間から24時間・365日依頼することができます。
ネットで簡単申し込みをして、すぐに最適な介護ヘルパーを調整して、訪問介護サービスを提供してくれます。
お急ぎの場合、最短1時間前まで依頼できるところもあります。
サービスの制限はなし
介護保険ではできない通院の付き添いやご家族分の料理・洗濯・掃除、深夜帯の在宅介護など制限なく依頼することができます。
制限がなくなることで、家族にとっても負担が大きく軽減されることができます。
オーダーメイド依頼ができる
その他自由に、利用者やその家族によって要望を依頼することができます。
介護保険外のことでも、気軽に相談し、お願いすることができます。
介護保険外サービスでできること
介護保険外サービスでは、一例として次のようなことができます。
- 介護・介助の手伝い
- 通院の付き添い・院内介助
- 外出・余暇の付き添い
- 日中・夜間の見守り介護
- 家事代行
- その他の生活支援
- 認知症ケア
- 障がい者ケア
- 介護施設出張ケア
- オーダーメイド
介助・介助の手伝い
日常生活で必要な食事、トイレ、入浴、室内移動などの介助ができます。
また、一人暮らしの人、家族と一緒に住んでいる人、障がい者の人も一緒に利用できます。
- 歩行介助
- 車椅子介助
- 入浴介助
- 衣服の着替え介助
- トイレ介助・おむつ交換
- 食事介助
通院付き添い・院内介助
普段の診察での病院への付き添いや、入退院時の手伝い、入院中の身の回りのお世話など、安心して病院に通うことができます。
高齢者だけでなく、障がい者の人も利用できます。
- 病院・通院の付き添い
- 入院・退院の付き添い
- 入院中の介助・見守り
- 受診・診察・検査・手術の付き添い
- ワクチン接種会場への付き添い
外出・余暇の付き添い
買物や散歩の付き添いから、余暇・趣味や冠婚葬祭やお墓参りの付き添い、役所・役場への付き添い、旅行の付き添いまで、外出が不安な方が安心して出掛けられるようになります。
高齢者だけでなく障がい者の方もりようできて、車椅子の方でも対応可能です。
交通機関も電車からタクシーまで一緒に同乗して、移乗や乗車・下車の手伝いをヘルパーがしてくれます。
- 買い物の付き添い
- 散歩の付き添い
- 余暇・趣味の付き添い
- 冠婚葬祭の付き添い
- 墓参りの付き添い
- 役所・役場への付き添い
- 旅行の付き添い
日中・夜間の見守り介護
自宅、施設や病院での日中、夜間の見守りをしてくれます。相談に応じて長時間の見守りも可能。
高齢者だけでなく障がい者の方も利用可能です。
- 日中の見守り介護
- 夜間の見守り介護
- 趣味・話し相手
- 水分・食事摂取量チェック
家事代行
掃除、料理、洗濯、食事の後片づけ、ゴミ出しなど、家事の手伝いを代行してくれます。
高齢者や障がい者などお手伝いが必要な方だけでなく、同居のご家族の家事もヘルパーがお手伝いできます。
- 掃除
- 洗濯
- 料理
- 食事の後片付け
- ゴミ出し
- 布団出し
- 冷蔵庫・食器棚の整理
その他の生活支援
草むしり、ペットの世話、衣替えの手伝い、電球等の取替、植木の水やり、郵便物の整理など、本人の生活に差し支えのない日常生活の支援です。
高齢者だけでなく障がい者の方もご利用いただけます。
- 草むしり
- 植木の水やり
- ペットのお世話
- 衣替えの手伝い
- 電球等の取り替え
- 郵便物の整理
認知症ケア
認知症の方への在宅介護・見守り、通院・外出付き添いができるので安心です。
また入院中や施設入所中で常時見守りが必要な認知症の方へのケアもできます。
- 認知症の方の在宅介護・見守り
- 認知症の方の通院・外出付き添い
- 認知症の方の入院中の介護や施設入所中の方へのケア
障がい者ケア
障がい者の方への身体介助・生活援助、また障がいにより困難な生活支援、家事支援、通院付き添い、外出付き添いができます。
- 障がい者の方の通院・外出付き添い
- 障がい者の方の生活支援や家事支援
- 障がい者の方の身体介助
介護施設出張ケア
老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの介護施設にお住まいの方への施設職員だけでは対応できない通院・外出付き添いや見守りを介護施設に出張してもらうことができます。
- 高齢者施設からの通院・外出付き添い
- 障がい者支援施設からの通院・外出付き添い
- 介護施設での成じ見守り
オーダーメイド
15時間を超えるご依頼や通常サービス以外のご依頼ができます。
どのような依頼でも、必要に応じて対応してくれます。
- 泊まり込みで介護してほしい
- ヘルパーに2人以上来てほしい
- 旅行で付き添ってほしい
介護保険外サービスの費用
介護保険外サービスを利用した際にかかる費用は、公的介護保険の適用ができないので全額自己負担となります。
そのため費用的には家族にとっても大きな負担となるのがデメリットです。
しかしその反面、サービスの品質が高く、保険適用内では利用できないサービスが利用できるのが大きなメリットです。
介護期間は平均で4年間、総額で数百万円かかるといわれています。親の介護にかかる費用と現実、知っておくべき問題点を紹介しているので、見て頂くと実際どれくらいの費用がかかっているかがわかると思います。
どのようなサービスを受けるにしても、前もって確認しておくことが大切です。
介護保険外サービスで介護負担の軽減しよう
近年、自宅でできるだけ長く過ごしたいという人が増えていると同時に、超高齢化社会になったことで介護が必要になる人も多くなってきています。
すると、家族の人による介護が少なからず必要になってきます。
介護保険の適用内で訪問介護を行うことも可能ですが、それでは限度があるのが実際のところです。
仕事や育児で忙しい中、家族の介護までしなければならないのは、相当な負担ではないでしょうか。
民間業者による介護保険外サービスを利用することで、そのような介護の負担を大きく減らすことができます。
介護保険サービスと、介護保険外サービスの内容をしっかり把握して、介護する方もされる方もできるだけ負担のない生活を送れるようにしていきましょう。