お正月とは?由来や歴史、飾りやおせちの意味について詳しく解説します!

お正月とは?由来や歴史、飾りやおせちの意味について詳しく解説します! 終活

正月は、日本の四季折々の文化の中でも特に大切にされてきた行事の一つです。

一年の始まりを祝い、家族とともに新しい年を迎える時間は、日本の伝統や心の絆を感じる貴重な機会ではないでしょうか。

お正月に飾る門松やしめ縄、鏡餅の意味やおせち料理にも、長い歴史と深い願いが込められています。

この記事では、正月の由来や歴史、正月飾りの意味について詳しくご紹介します。

正月とは?

正月は、一年の初めに新しい年を無事に迎えられたことを祝い、その年の豊作と家族の健康を約束してくださる歳神様をお迎えする行事です。

歳神様とは、先祖の霊の集合体(ご先祖様)のことです。

正月にこの神様を家に迎え祀ることで、その年の豊作や家族の健康が約束されると古くから信じられてきました。

新しい年を迎えるにあたり清々しい気持ちで感謝を捧げ、幸せを祈る大切な機会です。

そのため、年末には歳神様を迎える準備として大掃除を行い、家の中を清めます。

そして門松やしめ縄、鏡餅を飾り、歳神様をお迎えする準備を整えます。

「明けましておめでとうございます」の由来

もともとお正月は、歳神様をお迎えする行事です。

元旦に「明けましておめでとうございます」と挨拶するのも、本来は歳神様を迎えるための言葉だったといわれています。

「明ける」という言葉には「夜が明ける」や「新しい時が始まる」という意味があり、新しい年の始まりとともに歳神様を迎え入れる感謝と祝福の気持ちが込められています。

お正月に出会った人同士の祝福だけでなく、神様を迎えるという厳かな気持で挨拶をするようにしましょう。

正月飾りの意味は?

正月には、家に歳神様を迎えるための準備として門松やしめ縄、鏡餅などを飾ります。

それぞれに深い意味が込められています。

どんな意味があるのでしょうか?

鏡餅

鏡餅は歳神様へのお供え物です。

大小2つの丸い餅を重ねることで、魂を示す神器「鏡」の形を模しています。

三方の上に裏白(シダ)を敷き、橙や昆布、ゆずり葉などを載せて飾るのが一般的です。

鏡餅の基本の飾り方

1,三方またはお盆の上に載せる

鏡餅は三方(さんぽう)と呼ばれる台の上に載せるのが正式とされています。

三方は神事で使われる道具で、神様にお供え物をする際に用いられます。

三方がない場合は、清潔なお盆でも代用できます。

2,裏白(うらじろ)を敷く

三方の上に、裏白(シダの葉)を2枚敷きます。

裏白はその名の通り、葉の裏側が白いことから、「心の清らかさ」を象徴するとされています。

また、長寿を意味する縁起物でもあります。

3,大小の丸い餅を重ねる

大小2つの丸餅を重ねます。大きい餅を下に、小さい餅を上に置きます。この重ねた形は、重ね餅とも呼ばれ、「めでたさを重ねる」意味や、陰陽を表すともいわれています。

4,飾りを載せる

餅の上には、縁起物として以下のような飾りを載せます。

橙(だいだい):橙は「代々」とも読めることから、子孫繁栄を意味します。小さな枝付きのものを選び、餅の上に載せます。

昆布:喜ぶ(よろこぶ)に通じ、縁起が良いとされています。

ゆずり葉:親から子へ代々受け継がれる家系の繁栄を象徴します。

のしや紙垂を添える:三方の周りにはのし紙を飾り、餅の前面には紙垂(しで)を飾ります。これらは神聖さやお清めを意味します。

門松

門松は、歳神様が宿る依代(神霊が依り憑くもの)であり、歳神様が訪れる際の目印として家の戸口に立てます。

松と竹を使うのは、常緑樹に神様が宿ると昔から信じられていたためです。

門松は松竹梅でできている

門松は、主に松、竹、梅で構成されています。

それぞれの素材には以下のような意味が込められています。

竹:成長が早く、真っ直ぐに伸びることから「繁栄」や「潔さ」を象徴します。

切り口を斜めに削った「そぎ」は、見た目の美しさだけでなく、歳神様が宿る空間を表すと言われています。

松:常緑樹である松は、長寿や不老不死の象徴です。

厳しい環境でも緑を保つ生命力の強さが、縁起物として古くから親しまれています。

梅:冬の寒さの中でも花を咲かせることから、希望や忍耐力を表します。

門松の基本の飾り方

1,飾る場所:門松は、家の正面玄関の両側に対で飾ります。

これは、歳神様を左右からお迎えするという意味が込められています。

片方だけ飾ることもありますが、正式には対で飾るのが一般的です。

2,飾る高さ:門松の高さは地域や用途によって異なりますが、一般家庭用では1メートル前後のものがよく使われます。

神社や公共施設ではさらに大きなものが飾られることもあります。

3,飾る向き:門松の竹の切り口は、斜めの部分が外側を向くように設置します。

これは、内側を清浄な空間として歳神様をお迎えするためです。

縄:神聖な場所を区切るために使用されます。

扇や和紙:祝い事にふさわしい縁起物として飾ります。

南天の実:赤い実が魔除けとしての役割を果たします。

しめ縄

しめ縄は、歳神様をお迎えする神聖な場所を示すための魔除けです。

神棚や玄関に張る習慣があり、地方によって形状や飾り方が異なります。

しめ縄の飾りは?

しめ縄には以下のような飾りが付けられることが一般的です。

それぞれに縁起の良い意味が込められています。

紙垂(しで):しめ縄に垂らすギザギザの紙は、神聖さを象徴しています。

不浄を払い、清らかさを保つ意味があります。

裏白(うらじろ):裏が白いシダの葉で、「心の清らかさ」や「長寿」を象徴します。

左右1枚ずつ飾るのが基本です。

橙(だいだい):「代々」とかけて、子孫繁栄を祈願する縁起物です。小さな枝付きのものが一般的です。

昆布:「喜ぶ(よろこぶ)」に通じ、縁起物として飾られます。

ゆずり葉:親から子へ代々家系を受け継ぐ象徴として、家族繁栄を願う飾りです。

お節料理とは

お節料理は、五穀豊穣や子孫繁栄を祈願する縁起物の料理です。

正月三が日は台所仕事をせずに済むよう、保存食としても活用されてきました。

おせち料理の起源

おせち料理の起源は、古代中国から伝わった季節の節目を祝う「節句」にあります。

日本では奈良時代以降、宮中行事として「五節句」の祝祭に特別な料理を供えるようになり、これが「御節供(おせちく)」と呼ばれました。

平安時代には節句の中でも新年を祝う料理として定着し、江戸時代になると一般庶民にも広まりました。

おせち料理の特徴

おせち料理は、保存が利くように作られているのが特徴です。

正月三が日は「主婦が台所仕事から解放される日」とされており、その間家族が楽しめるよう、煮物や焼き物、酢の物などが重箱に詰められます。

重箱に詰めるのは、「福を重ねる」という縁起の良い意味が込められています。

おせち料理に何をいれる?

おせち料理には、家族の健康や繁栄、一年の幸せを祈る願いが込められています。

それぞれの料理には次のような意味があります。

黒豆:健康に「まめ」に働き、暮らせるように。

田作り(ごまめ):五穀豊穣を願う料理。小魚を使うことから、豊かな収穫を表します。

紅白かまぼこ:紅白は「祝い」を象徴し、かまぼこの形が日の出を連想させることから、めでたさを表します。

栗きんとん:漢字で「金団」と書き、黄金を象徴。金運アップを願う縁起物です。

昆布巻き:「喜ぶ」に通じ、祝い事の象徴とされています。

エビ:長寿を象徴。エビの曲がった姿が「腰が曲がるまで長生きする」ことを表します。

正月とお盆の違い

正月はお盆とともに、先祖を祀る行事として6世紀半ばには行われていたことが確認されています。

しかし、仏教の伝来とその影響が深まるにつれて、お盆は仏教行事の盂蘭盆会と融合し、先祖供養の行事となりました。

一方で、正月は歳神様をお迎えし、その年の豊作を祈る「神祭り」として区別されるようになったといわれています。

正月は歳神様をお迎えして豊作と健康を祈る行事

正月は、新しい年の始まりを祝い、家族の健康やその年の五穀豊穣を祈願する行事です。

この時期に訪れる「歳神様」は、先祖の霊の集合体とされ、新年の幸福をもたらしてくれる存在として家々に迎えられます。

歳神様を迎える準備として、門松やしめ縄、鏡餅などを飾ることが行われます。

お盆は先祖の霊を供養する行事

一方で、お盆は、亡くなった先祖の霊がこの世に帰ってくる時期とされており、供養を行う行事です。

仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)が起源で、家族が集まり、供養や感謝の気持ちを捧げます。

特に、お墓参りや盆踊り、精霊流しなどが広く行われます。

さいごに

正月は、家族と共に新しい年を迎えるだけでなく、歳神様をお迎えし、一年の豊作や健康を祈願する日本特有の行事です。

これまで書いてきたように、門松やしめ縄、鏡餅といった飾り物には、それぞれ神聖な意味が込められており、おせち料理には家族の幸福や繁栄を願う心が詰まっています。

この正月に、日本の伝統文化を見直しながら、新しい一年を清々しい気持ちで迎えてみてはいかがでしょうか。

正月を深く知ることで、いつもより少し特別なスタートを切ることができることでしょう。

タイトルとURLをコピーしました