この身は瓶のごとし

ダンマパダ40 仏教

ブッダの教え『ダンマパダ』について、ここでは第3章「心」にある法句40について、その内容を紹介します。

ダンマパダ40

この身を瓶の如しと知り

この心を都の如くに定め

慧を武器として魔を攻めよ

勝利を守れ、執するなかれ

法句40

観の行法に努める比丘たちの物語

この法は、ブッダがサーヴァッティ(祇園精舎)に住んでおられたとき、観の行法に努める比丘たちについて説かれたものです。

500人の比丘が、ブッダから業処を受けて100ヨージャナの距離をすすみ、ある大きな村へと行き、人々の勧めと世話によって大きな密林に入りました。

すると、密林に棲む神々は「かれらがここに住むのはふさわしくない。樹神たちが地上に住まねばならなくなる。比丘たちを怖がらせよう」と考えました。

そこで比丘たちが修行に入ると、経行処の端に、首のない胴体や、胴体のない首など、さまざまなものを現して、脅かしました。

比丘たちは非常に煩わしく思い、そこを離れてブッダの元に戻り、その一切を報告しました。

ブッダはかれらに「ふさわしい武器を持って再度いくように」と言って、『慈経』を教授されました。かれらはまた密林に行き、その経をとなえて、樹神たちに慈しみを広げ満たしました。

これを聞いた密林の神々はすべての慈しみの心を得て、密林一帯は静寂になりました。

比丘たちも心が安定して、観の行法に励みました。

ブッダはジェータ林から、智慧をもってかれらの様子をご覧になると、「比丘たちよ、身は無常であり、瓶のように壊れやすいものです」などと言って、この法を説かれました。

その終わりに、かれら500人の比丘はすべて阿羅漢になったといわれています。

これがこの因縁話です。

この身は瓶のごとし

この身は無力であり、非力であり、仮の状態であるがゆえに「瓶のごとし」といわれます。

その身を、都市のように堅固なものにすることを教えています。

都とは、外は城壁に囲まれて、深い濠があり、内は整備された道路や市場があります。

そのように、よく整えなければいけません。

そして、智慧を武器に魔を払い、心静かな禅定という勝利を勝ち取るのです。

しかし、そこに執着してもいけないと説くのであります。

智慧をもって修しては捨て、また修しては捨て、そのようにして真の安楽の境地を確立していくのです。

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