高齢になると体が思うように動かなくなり、車を運転することが難しくなったり、歩いて移動することにも制限がかかる人が増えてきました。
すると、買い物ができなくなって日常生活に支障が出てくる人も多くなってきました。
買い物ができないと、食事ができません。
生きていくためには、食事は欠かせないものです。
そこで近年、食事の宅配サービスを利用する人が増えてきました。
自宅まで食事を届けてくれることにより、食事に心配することなく、さらにはバランスのいい栄養をとることができます。
ここでは、宅配食サービスのメリット、デメリットを紹介します。
配食サービスは高齢者にこそ利用してほしい
配食サービスとは、調理されたお弁当や食品を自宅に届けてもらうサービスです。
これまでは、仕事で忙しくてなかなか栄養バランスのとれた食事がとれない人や、会社の食事として利用する人が主として利用していました。
しかしその便利さから、近年では高齢者で利用する人が増えてきました。
自宅で過ごす高齢者が増え、同時に外出することに制限が出てきたために買い物ができず、まともに食事をすることが困難な人が増えてきたのです。
このような理由から、高齢者に向けて食べやすくバランスのとれた食事を提供している配食サービスが、どんどん増えていっています。
高齢者にとっての食事の大切さ
高齢者になると思うように体が動かなくなり、行動に制限がかかってしまいます。
すると、それまでできていた家事もできなくなり、食事もまともにとれないようになってきてしまうのが現状です。
人間は生きる楽しみがなければ生きていくことができません。
特に高齢者にとって楽しみのない日常は、体を弱らせるだけでなく、脳も弱らせることになってしまい、そのままでは認知症になる怖れもあります。
このような生きる活力を生み出すもととなるのが、食事です。
生きていくためには食事ほど大切なものはなく、逆にいえば食事を大切にして過ごすことが、健康で長生きをしていくためのポイントにもなるのです。
「高齢者の食生活」健康寿命をのばすために気をつけるべき食事の習慣を紹介しているので、こちらも参考にしてください。
高齢者と離れて暮らす家族も安心できる
配食サービスは、毎日あるいは定期的に自宅に食事を届けてくれます。
その都度きちんと食事を受け取ることが、高齢者の安否確認にもなるのです。
離れて暮らしている場合、電話などで連絡をとりあうこともあるでしょう。
しかし、家族に余計な心配をかけないために「大丈夫」と答えてしまう高齢者も少なくありません。
また、本人にとっても、電話越しに声を聞くだけでなく、誰かと直接顔を合わせて話しをする方が安心するのです。
定期的に誰かが訪れるということは、本人にとっても家族にとっても、心強いことでしょう。
配食サービスを利用するタイミング
配食サービスを利用するタイミングとして、以下の様なケースがあるときには検討するようにしましょう。
食事の買い出しができなくなった
車の運転ができなくなったり、自転車に乗れなくなったり、体が思うように動かずに食事の買い物ができなったりしたときには、配食サービスを検討するといいでしょう。
生きていく上で食事は大切なものです。
食事の買い物に行けないということは、そのまま食事はできなくなるということでもあります。
こんな時は迷わず利用するようにしましょう。
買い物や調理が大変になってきた
買い物が全くできないわけではない、あるいは調理がまったくできないわけではない、という人もいると思います。
しかし、買い物や調理が大変でおっくうになってくると、だんだんと買い物をしたり調理をしたりする回数が減ってきます。
買い物や調理の回数が減ることは、食事が減ることそのものです。
高齢になるほど、きちんと食事をとることが必要です。
買い物や調理が大変になってきたら、配食サービスの利用を検討しましょう。
栄養バランスが気になる
食事をとるときは、栄養バランスに気をつけてとることが大切です。
いくら食事をたくさん食べていても、栄養バランスが偏ってしまうと病気になるリスクが高くなります。
また、持病によって医者から食事になんらかの制限をかけられている人もあるでしょう。
そうなると、自分でバランスを考えて食事制限の中で調理することはとても大変で難しいことでしょう。
配食サービスにはそれぞれプランがあり、自分の気になる栄養バランスにあわせて注文することができます。
栄養が気になる人には便利なサービスだといえます。
家族が近くにいない
近年、ひとり暮らしの高齢者が増えています。
あるいは、家族と一緒に暮らしてはいるが、仕事で忙しくて食事を用意するのが難しいという人も少なくありません。
こんな時には、自分で食事を用意しなければいけません。
しかし、高齢者にとって食事の準備はかなりの重労働です。
また、配食サービスを利用することで、高齢者の見守りにもつながっています。
家族と一緒にいる時間が少ない人は、ぜひ利用してみましょう。
配食サービスのメリット・デメリット
配食サービスを利用するには、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
メリット・デメリットの両方を知った上で、自分に合った配食サービスを検討していきましょう。
配食サービスのメリット
利用すると便利な配食サービスです。
どんなメリットがあるのかみていきましょう。
栄養バランスが整っている
配食サービスの大きなメリットとして、栄養バランスが整っているということがあげられるでしょう。
栄養バランスを考えて、自分で調理をすることはとても大変です。
しかし、健康で長生きするためには、食事の栄養バランスはとても大切なことです。
配食サービスのほとんどは、栄養バランスを考えて用意されています。
また、持病によって医者から食事制限をかけられている場合にも、それに対応したメニューがそろえられていることが多くあります。
食べ過ぎたり、栄養がかたよったりすることなく、おいしい食事がとれるのは本当にうれしいものです。
調理や後片付けの必要がない
注文してお弁当や食材が届くので、調理や後片付けの手間がありません。
料理をするのは好きだけど、あと片付けが嫌いという人も少なくないでしょう。
特に高齢となると、調理をすることも面倒でおっくうになってきます。
手軽に食事をすることができて、後片付けも楽なので、これなら続けていくことができます。
また、洗い物が減るので節水にもなります。
メニューが豊富にある
配食サービスにはさまざまな種類があり、食事のメニューもそれぞれあります。
内容も定期的に変更されるところが多いので、毎日続けていても飽きることなく利用することができます。
また、まえもって献立が決められているので、迷うことがなく、無駄な時間を消費することもありません。
今日はどんなメニューが届くのか、ワクワクする楽しみが増えるのです。
普段食べられないものを食べることができる
自分で作ると時間や手間がかかるのでなかなか作ることができない料理や、近所のスーパーではなかなか手に入らない食材を使った食事などが、献立に含まれていることもよくあります。
このような、普段は余り食べることがない食事を食べることができるのも、配食サービスを利用する楽しみのひとつです。
最近は配食サービスを提供している業者が増えてきました。
それにともない、他者との差を付けるために独自の味付けをしてみたり、一般家庭では余り使わない食材を使ってみたりと、さまざまな工夫がされています。
そのため、種類が豊富でおいしい食事を楽しむことができるのです。
高齢者の見守りになる
家族と離れて、高齢者がひとりで暮らしているというケースが増えてきました。
ひとり暮らしとなると、食事をきちんととっているのか、元気に過ごしているのかと、心配事が大きくなります。
配食サービスは、毎日あるいは定期的に自宅に食事を届けてくれます。
そのときには、必然時に配達員と顔を合わすことになります。
もし突然のことで倒れてしまっていたとしても、宅配員がそれに気づいて早期発見をすることができます。
配食業者によっては、高齢者の見守りプランがついているところもあるので、配食サービスを利用することで、本人も家族も安心することができます。
簡単に注文できる
インターネットの注文なら、24時間365日にわたっていつでも注文することができます。
忙しい人でも、思い立ったときに注文できるほか、家族の人が代理で注文することも可能です。
もし自分に合わないと思ったり、メニューの内容やプランの変更をしたいときにも、ネットで簡単に手続きができます。
手軽に始められるので、とりあえずお試しで利用してみるのもいいでしょう。
配食サービスのデメリット
メリットの多い配食サービスですが、デメリットもあります。
どんなデメリットがあるのでしょうか。
料金が割高になる可能性もある
配食サービスによっては、送料や手数料がかかる場合があります。
宅配の頻度、たとえば毎日届くのか、数日に一度まとめて届くのかといったことで、料金が変わってくることがあります。
また、入会金、年会費がかかる場合もあります。
ある程度は便利なものに費用がかかることは、やむを得ないかもしれません。
料金チェックはしっかりしておきましょう。
配送のエリアが限定されている場合がある
ネットで簡単に注文できる配食サービスですが、近くにその会社がないということもあります。
せっかくおいしそうな食事を見つけたり、予算的にも自分に見合ったサービスを見つけても、澄んでいるところが配送エリアの範囲外であることも考えられます。
その場合、注文しても届けてもらうことができません。
自分の住んでいるところが、サービスのエリア内かどうか、確認するようにしましょう。
不在の場合は受け取れない
食事の宅配サービスなので、衛生上、不在の場合は受け取ることができません。
外出を予定していても、食事を受け取るまでは自宅で待たなければいけないのです。
きっと生活のリズムも、配食サービスの届く時間を優先したリズムに変わるでしょう。
食事のために、自分の時間が拘束されてしまうことがあることも、理解しておきましょう。
届くまで時間がかかる場合がある
簡単に注文することができても、自宅に届くまでにはすぐというわけにはいきません。
さらに、「何日前の何時まで」に注文しなければいけないという場合もあり、それを過ぎると持戒の配達時間になるので、食事をしたいときにできない場合もでてきます。
変更やキャンセルについても、すぐに対応できない場合もあるので、早い目に検討するようにしておきましょう。
好き嫌いが言えない
食事のメニューは、プランによって決められています。
たとえば、その日の揚げ物だけほしくて、野菜はいらない、というようなことはできません。
好き嫌いが多い人は、もしかしたら利用しにくいかもしれません。
しかし、一食のメニューは栄養バランスをきちっと考えて作られています。
もしどうしても自分に合わないと思うなら、プランを変更してみたり、別の業者に変えてみたり、あるいは配食と自炊を組み合わせてみたりと、工夫をこらしてみましょう。
健康で長生きをしたいなら、好き嫌いはせずに、届けられた食事をしっかりと食べることが大切なのは、言うまでもありません。
配食サービスの有効活用を
配食サービスのメリットとデメリットを紹介しました。
配食サービスのメリット
- 栄養バランスが整っている
- 調理や後片付けの必要がない
- メニューが豊富にある
- 普段食べられないものを食べることができる
- 高齢者の見守りになる
- 簡単に注文できる
配食サービスのデメリット
- 料金が割高になる可能性がある
- 配送のエリアが限定されている場合がある
- 不在の場合は受け取れない
- 届くまで時間がかかる
- 好き嫌いが言えない
健康で長生きするためには、食事はとても大切で欠かせないものです。
しっかり食べて、活気のある毎日を過ごしていくためにも、配食サービスを有効活用していくようにしましょう。