時間は有限であり、すべての人に平等に与えられたものです。自分にも、家族にも、友達にも、同僚にも、1日24時間という時間は変わることなく与えられています。
そんななかでも「朝」は1日の始まりで、とても重要な時間です。
朝をどのように過ごすかによって、その日がどんな一日になるかが決まります。
朝を有意義に使うことこそ、最高の人生を作っていくのです。
人生の質は朝の過ごし方で決まるのです。
しかし、朝は苦手で、なかなか行動に移れないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、苦手な朝を克服するためにすべきことを、マツダヒロミさんの著書『朝1分間、30の習慣』をもとに紹介します。
苦手な朝を克服するためにやるべきこと
限られた時間の中で、「朝」の時間はとても大切なものです。
朝の時間の過ごし方によって、人生の善し悪しが決まるといっても過言ではありません。
朝は一日の中で最もいいパフォーマンスが出る時間帯です。やる気や集中力をアップさせるアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質がたくさん分泌されるからです。
朝から午前中の時間帯に重要なタスクをこなすことが、生産性を向上させて成果をあげることにつながるのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
自分自身への問いかけ「絶対にやるべきこと」と「やらなくてもいいこと」をわける
一日の中で、「絶対にやるべきこと」と「やらなくてもいいこと」をわけて考えているでしょうか。
やらなくてもいいことに手をつけて、それに時間をかけてしまっていると、本当にやるべきことができず、生産性があがりません。
さらには、自分自身のモチベーションにもつながりません。
「絶対にやるべきこと」と「やらなくてもいいこと」をわけて、出てきた答えをノートに書き出しましょう。
頭の中で漠然としていた「やること」「やらなくてもいいこと」のタスクが、ノートに書き出すことで明確になります。
やるべきことにだけ力を注ぐことができれば、集中力もあがって、一日の仕事の生産性がグッとアップするのです。
このようにして「やるべきこと」「やらなくてもいいこと」をわけるという行為は、実は自分自身に対する質問でもあります。
「自分が本当にすべきことは何?」と自分自身に対して質問を投げかけることで、頭の中にあるモヤモヤを整理することができます。
そして、やるべきことをしっかりと導き出すことで、前向きな気持ちを持つことができるのです。
また、自分自身に対して質問をすると、「自分のやりたいこと」も見えてきます。
「今日は何をしたい?」と自分に問いかけることで、それを楽しみに、一日の目標となってモチベーションのアップにもつながります。
さらに、自分への問いかけが、自分の頭の中を整理して、気持ちを客観視することになります。客観視できれば、心も整います。
自分自身への質問を活かしながら、朝という時間を効果的に使っていくようにしましょう。
「しなくてもいいことはしない」明日できることは明日やろう
自分自身に質問をすると、頭の中にある漠然とした考えが整理され、クリアにすることができます。そしてそれを認識することで行動に変化が現われます。
これが一日の生産性を上げて、パフォーマンスを向上させることにつながるのです。
「今日やるべきことは何か?」と自問自答したとき、特にビジネスパーソンの人なら、やるべきことがいくつもあり、そしてどれも重要なものだと感じてしまう人も多いでしょう。
今日やらなければ、明日に仕事が回る、だから今日のうちに終わらせなければいけない。
そのように考えるのは極めて自然なことだと思います。
しかし、一日のうちでできることは限られています。無理に詰め込もうと思うと、肉体だけでなく精神的にも苦しい状態に陥ってしまいます。
行動に余裕がない人は、心にも余裕がありません。心に余裕がない人に、いい人生を過ごしていくことができるでしょうか。
一日のタスクがたくさんあるときは、優先順位をつけるようにしましょう。
何を優先すべきかを見極め、そして「明日できることは、明日やろう」と区切りをつけることが大切です。
朝の1分は「プラチナタイム」起きてすぐにスマホを見ない
朝起きてすぐ、何をしますか?
きっとほとんどの人が、「スマホを見る」と答えるのではないでしょうか。
しかし、朝起きてすぐにスマホを見ることは、朝のパフォーマンスを低下させる原因になるのです。
寝ている間に届いたメッセージを読んだり、SNSをチェックしたりすることは、無意識に他人とのコミュニケーションを取ることになります。
コミュニケーションをとることは、人間にとって思いのほか労力になります。朝一番からこのような労力を使うことはもったいないことです。
また、スマホに含まれている多くの情報は、必ずしもいいものとは限りません。むしろネガティブな情報のほうが多いのではないでしょうか。
脳がまっさらな状態のなかでわざわざネガティブな情報を入れることは、それだけで一日のモチベーションが下がってしまいます。
さらに、スマホが発するブルーライトは脳に刺激を与えて眠りを妨げることが、科学的にも証明されていることです。
目覚めてすぐの、脳がまっさらできれいな状態は、「プラチナタイム」です。
この時間こそ、自分自身の向上のために使うべきなのです。
枕元にスマホを置いて時間の確認にも使っている人が多いでしょうが、始めからスマホを寝室に持ち込まない、目覚まし時計を使う、などして、朝の「プラチナタイム」を効果的に使うようにしましょう。
早起きをする必要はない「朝を充実させること」が大切
いま「朝活」が流行っているように、朝の時間の使い方にはとても注目されています。
朝活をするために、朝早くに起きて勉強したり、早く出勤して周りの人より早く仕事を始めたりしている人もいるのではないでしょうか。
しかし、夜に働いている人もいますし、シフト制で夜遅くに仕事が終わる人もいます。そういう人たちに朝早く起きることを勧めるのは酷なことです。
ここでは、朝早く起きることを勧めているのではありません。大切なのは、「朝起きてから何をするか」ということです。
いろいろな研究からも、朝の充実が幸福度を上げることが証明されています。調査によれば、夜型タイプの人と比べて、朝型タイプの人のほうが、より多くのポジティブな感情を抱くことがわかっています。
また、早起きに向いている人と、向いていない人がいることもわかっています。
朝活が流行っているからと、そのながれにのってむやみやたらと早く起きればいいというのではありません。
例えば、いつも7時に起きている人が無理をして5時に起きようとすると、体内時計が崩れて自律神経が乱れ、夜に眠れなくなるなどして、かえって体に悪影響を与える可能性もあります。
大事なのは、自分のペースを崩さないことです。
こうしたことからもわかるように、朝をいかに充実させて過ごすことができるかということが、豊かな人生を送るためのポイントとなるのです。
人生の質は朝の過ごし方で決まる
いい人生を送りたいと思うなら、一日の始まりである「朝」の質をあげることが大切です。
苦手な朝を克服するためには、やるべきこと、やらなくてもいいこと、を明確にし、しっかりと一日の目標をたてて有効活用することが大切です。
早起きをすることだけが、朝の有効活用方法ではありません。
大切なのは、朝をいかに充実させて過ごすかというところにあります。
ぜひ、苦手な朝を克服して、質のいい人生を送りましょう。