健康寿命をのばすためには、食生活がとても大切です。
生涯にわたって心身ともに健康であり続けるために、食事の習慣には気をつけるようにしましょう。
高齢者の食生活で気をつけるべきこと
日常生活を健康で送れる期間のことを健康寿命といいます。
厚生労働省の資料によると、令和3年の平均寿命は 、男性が81.47年、女性が87.57年とされています。
対して健康寿命となると、男性が72.6歳、女性が75.5歳、総合で74.1歳というデータが発表されています。
つまりこれは、日常生活に制限のある期間が、男性で約8年、女性で約12年あるということの裏返しでもあります。
日常生活に支障をきたすことは、介護や医療に関わってくるので、家族にも大きく負担をかけてしまうことにもなります。
親の介護にかかる費用と現実、知っておくべき問題点をしっかり理解しておきましょう。命終わるまで健康であり続けるために、食事に関しては特に気をつけていきたいものです。
食事の大切さ
食事は、生きる上での基本であり、体力のみならず知力の基礎にもなるものです。
近年「食育」という言葉が広がり、学校などでは食事をとおして教養を身につける取り組みが行われています。
しかしこれは、大人になっても同じことがいえるのではないでしょうか。
食事を通して知識を得て、健全な食生活を実現していくことは、どの世代にも必要なことといえます。
低栄養は老化を早める
年をとると、食が細くなったり、食事づくりがおっくうになったりして、品数や量が減りがちになります。
また近年では、中高年の肥満が増加し、肉や脂肪を控えるようにという情報にふれることも多いでしょう。
しかし、高齢者はもともと食事量が減っているのが現状です。
そんな人が、中高年向けの食事法をそのまま取り入れてしまうと、かえって摂取する栄養が少なくなり、低栄養状態におちいってしまう恐れがあります。
低栄養状態になると、血管の壁がもろくなったり、ウイルスに対する抵抗力が衰えたり、体力が低下します。
さらに、認知症の発症にも影響を及ぼすこともいわれています。
低栄養は老化を早めます。
特に、痩せてきたら注意するようにしましょう。食事が十分にとれないと、痩せてきます。
高齢者世代は、いろいろなものをしっかり食べることが大切です。
バランスのよい食事
食事は栄養のバランスを考えてとるようにしなければいけません。
食事バランスガイドは、1日にとるべき食事の目安をわかりやすく「コマ」の形で表現したものです。
1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考できるように、食事の望ましい組み合わせとおおよその量がイラストで示されています。
人の活動を「運動」とし、コマをまわすように、人が活動していくために必要なことが画かれています。
コマがあらわしているもの
- 「運動」コマのうえで人が走っています。人の活動を運動とし、適切にバランスよく食事をとることで、コマは安定して回り続けることができます。
- 「水・お茶」水分のこと。水やお茶など、水分がコマを回すに欠かせない軸となっています。
- 「菓子・嗜好品」コマを回すためのヒモです。楽しみがよい食生活の原動力になります。お菓子や酒などの嗜好品は、適切にとるのがいいでしょう。
一日に何を食べたらよいか
- 「主食」パン、ご飯、麺類などの、炭水化物
- 「副菜」野菜、きのこ、いも、海藻類など、食物繊維が多く含まれている食べ物
- 「主菜」肉、魚、卵、大豆料理など、タンパク質。
- 「牛乳・乳製品」牛乳、チーズ、ヨーグルトなどのカルシウム。
- 「果物 」みかん・バナナ・りんごなど、ビタミンやカリウムなどが多く含まれる食事
一日にどれだけ食べたらよいか
ここでは「つ(SV)」という単位で数えます。
それぞれの「つ」は、グループごとに数え、他のグループと併合して数えることはしません。
例えば、主食を増やしたので副菜を減らすというようなことはしません。
コマの上にいくほど面積が大きく、それだけたくさん食べて栄養を摂取することをすすめています。
「つ(SV)」のみかた
料理のグループごとに「1つ」「2つ」と数えていきます。
食べた料理を数えるには、見た目の量と主に使われている食材で判断します。
- 「主食」一日5~7つ。数え方の基本は、おにぎり1個、ごはん小盛り1杯、食パン1枚が「1つ」。ごはん普通盛りは「1.5つ」。麺類・パスタ類は1人前で「2つ」くらいと数えます。
- 「副菜」一日5~6つ。小皿や小鉢に入った野菜料理1皿分が「1つ」くらい。中皿や中鉢に入ったものは「2つ」くらい。野菜ジュース100%は200mlで「1つ」
- 「主菜」一日3~5つ。卵1個の料理、納豆1パック、豆腐1/3丁が「1つ」。大人用の魚料理1人前は「2つ」、肉料理1人前は「3つ」くらい。子どものハンバーグは大人の1人前より小さかったら「2つ」くらい
- 「牛乳・乳製品」一日2つ。ヨーグルト1パック、プロセスチーズ1枚は「1つ」。牛乳200mlは「2つ」
- 「果物」一日2つ。みかんやバナナくらいの小さな果物1個は「1つ」。りんごなどの大きな果物は「2つ」。果汁100%ジュース200mlが「1つ」
表を参考に、バランス良く食事を取るようにしましょう。
「混ぜるだけ」「漬けるだけ」でできる食事メニュー
自分で料理を毎日続けていくためには、簡単に作ることが大切です。
いくら料理好きとはいえ、何時間もかけて一日三食作ることは、大きな労力となり続けていくことは難しいでしょう。
87歳古い団地で愉しむひとり暮らしの女性の簡単にできる食事メニューを紹介しています。
87歳のその女性は、素質なものではありながら、一日三食決まった時間に食事をとり、健康な生活を過ごしています。
毎日自分で食事を作り続けるために、簡単にできるもの、「混ぜるだけ」「漬けるだけ」を基本に調理をしています。
ぜひ参考にしてください。
簡単にバランスのよい食事をとる方法
自分で調理をしてバランスのよい食事をとることは、とくに高齢になるほど難しくなってきます。
そこで、簡単にバランスのよい食事をとるための方法を紹介します。
宅配食を利用する
健康寿命をのばすためとはいえ、バランス良く食事を取ることは大変なことです。
表があるからといって、その通りに毎日食事を取っていくことは難しいことだと思います。
しかも、高齢になるにつれて食事に対する欲がなくなったり、気力が少なくなってきて、食事そのものがおっくうにさえなってきます。
そんな中、近年は宅配食が増えてきています。ためらうことなく、しっかりと宅配食を活用していくといいでしょう。
自宅でバランスのよい食事を取ろうと思うと、栄養計算をしてから献立を考える難しさや、さらに食材や調味料を計量して調理する手間がかかって、とても大変です。
宅配食にすれば、食事だけでなく病気に関する知識も持った管理栄養士の下、細かく計算・計量して作られた食事をとることができます。
たとえば、気配り宅配食のウェルネスダイニングでは、
など、いろいろなコースがあるので、栄養バランスに配慮しつつ決まった栄養価に調整されているため、食事制限が必要な方でも安心して利用することができます。
医者から食事制限されて、たとえば塩分を控えるようにとか、糖質を抑えるようにとか、さまざまな食事制限をされる場合も問題なく食べることができます。
また、気軽に、自分のペースにあわせて続けていくことも大切です。たとえば、朝と夜だけ宅配食にして、昼は自分で用意してみるとか、自分の生活リズムに合わせて方法で進めていくことがいいでしょう。
さらに、噛む力や飲み込む力が弱くなってきた高齢者にも食べやすいように、あらかじめ柔らかく作られているものもあります。
どんどん活用していきましょう。
完全栄養食を利用する
完全栄養食とは、それだけで一日に必要な栄養をとることができる食品のことです。
たとえば卵がそれにあたります。
これまでは、一度に多くの栄養をとろうと思うと、サプリや栄養ドリンクなど、あまり食事とするには適せず、おいしくないものばかりでした。
しかし最近、パンやパスタ、カレーなどの食事として販売されているものが増えてきました。
これを利用することで、主食として完全栄養食を利用し、必要な栄養をとることができます。
また、数年の保存期間があるものあるので非常食にもなり、買い置きしておくことで万が一の時のためにも有効的に活用することができます。
完全栄養食については、コチラで紹介しているので、参考にしてください。
最後に
健康寿命をのばすためには、食生活は欠かせない問題です。
健康維持のためには、バランスのよい食事がかかせません。
できることなら、自分で考え、自分で行動して食事を用意するほうがいいでしょう。
しかし高齢になればなるほど、難しくなるのが現状です。
そんなときは遠慮なく宅配食を使っていきましょう。
大切なのは、バランスよく食事を取ることです。
健康で長生きをするために、気をつけていきましょう。